溶けにくい木材をムダなくまるごと
低エネルギーで溶かす技術
日本の国土に多く存在する放置林は、手入れされず節目ばかりになってしまった使いにくい木材が多くなりがち。それを利用するための技術が、どんな木材でも化学品の原料にできる低エネルギー溶解技術です。そもそも木材はセルロース、リグニン、ヘミセルロースの3成分が、鉄筋コンクリートのような強靭な構造を形成しているため、なかなか溶けません。例えば木からセルロースを主成分とするパルプを取り出すには、圧力釜で150℃の熱を長時間かけ続けるという高エネルギー、高環境負荷のプロセスが必要でした。BGICが京都大学と開発している低エネルギー溶解技術は、エネルギーをほとんど必要とせず、リグニンのみを溶かしてセルロースを取り出したりすることもできる、環境負荷の少ない画期的な技術です。木を溶かすことが容易になれば、これまでにない木材の運搬や加工ができるようになり、リサイクルも容易になります。日本中の放置林を価値ある森に変えることも、この技術なら可能になるのです。